風の詩ーー君に届け

ぎゅっと胸を締め付けられるような、だけど……その痛みが不快ではなく、心地好い。



病院の正面玄関をくぐり病室へ向かう。



病院独特の匂い、慣れない匂いだなと思う。



エレベーターホールの先でXceon(エクシオン)のメンバーが、項垂れて座っていた。



「何してるんだ? こんな所で……仕事はどうした?」


緒方はXceon(エクシオン)のメンバーに目を輝かせる。



「詩月さん!? どうして……」

唖然とし、立ち尽くすメンバーの面々が、一様に何処か暗い。



「訊ねているのは、こちらが先なんだが」



「さっきまでレッスンだった。

番組の録りは夕方から」



応えたのは、いつも軽口で話しかけてくる体育会系の遥。