風の詩ーー君に届け

この閃き――。


緒方のこの感性が、失いかけてた思いとか自信とか勇気を呼び起こすんだ。



苛つくような一言にもハッとさせられるんだ。



緒方が何気なく口にする言葉が、真っ暗な闇の中に一筋の光を射し込ませる。



「額田姫王だな」


ポツリ呟く。



「何!?……額田?」



「いや、なんでもない」




自分の言った言葉が、どれだけ物事の核心をついているかなんて、緒方はまるでわかっちゃいないのに。



何故か、このギャップに癒される。



「思い切って、あなたの思うように動いてごらんなさいよ」っていう、Yellを感じる。


冷えきっている胸に、灯るはずのない明りが灯り、暖められていくような……。



なんだろうな、この感覚。


胸の鼓動が速まり、治まらない。