風の詩ーー君に届け

緒方はどうして?という顔を向ける。


「君……天然!? 歩いてくる間、ポスターが何枚貼ってあったんだよ」



「そう!?」



大きな溜め息を溢しそうなのを堪え、緒方の手からシャツを1枚手に取り、レジへ急ぐ。



「えっ、周……」



言いかけた緒方がハッとしたように黙りこむ。



ハラハラする。



「試着室、借りていい? これに着替えたいんだけど」


支払いを済ませながら言うと店員は「どうぞ」と微笑み、値札を外し包装袋を添えた。



緒方の手から選んだのは、1番上の1枚。

淡いブルー。



素早く着替えて、口紅のついたシャツを見る。



結構、派手についてるなと思い、畳んで袋に入れ、さらに鞄に仕舞う。



試着室を出て、レジに一礼し、店の入り口でボーとしている緒方に声をかける。