風の詩ーー君に届け

改札口を出て、緒方は地下商店街を目指す。


店のディスプレイやマネキンが身につけた服に目を輝かせる。


才媛と呼ばれている緒方も、どこにでもいる普通の女子大生なんだよなと緒方の様子を観ながら思う。



「この辺りだったと思うんだけど……」



雑貨屋の角を曲がり、入った店はこじんまりした店だが品数は多いように感じた。


Tシャツ、カッターシャツ、Yシャツ、ポロシャツ、チノパン、ジーパンなどの夏物セールを行っている。


「白シャツよりもパステルカラーの方が明るく見えるかも」と、緒方は勝手に数枚、手に取り鏡の前に移動する。



「周桜く……」


「うわっ……莫迦、名前を呼ぶな」


慌てて緒方を遮る。