風の詩ーー君に届け

「何かあったの?

あなたがあんなに乱れるなんて」



「まあね」



「『ローレライ』って理久が叫んでいたけれど、誰かに言われたの?」



胸がトクンと跳ねる。



「いや、何も」



掌に嫌な汗が滲み、背筋が冷たくなっていく。



「周桜くん!?……どうかしたの」



緒方の手が、しっかりと僕の手首を掴んでいる。



「震えてない?」


緒方は手首を掴んでいた手を額に移動させ、顔を近づける。



「……緒方、何を」



「熱でもあるのかと思って」




「緒方……顔が近い」




体が火照り、額に当てられた手を払うこともできず、胸が早鐘を打つ。



「ねぇ、少し熱くない」



「……緒方、手を」