風の詩ーー君に届け

就職試験面接の模範のように、丁寧な礼をし部屋の出口へ向かう。



マネージャーは、その後ろ姿に一言も声を掛けなかった。


立ち上がることさえもせずに、細い後ろ姿をみつめていた。



廊下を歩き、ホールに出てエレベーターが止まるのを待つ。



ローレライ――。

その名の響きが、詩月の心にのし掛かっている。



開いたエレベーターからXceon(エクシオン)の面々が、Tシャツに下はジャージ姿で現れる。

タオルで汗を拭きながら。



「詩月さん!!」



「ダンスのレッスンか?」



詩月は何事もなかったように訊ねる。



「みっちり2時間もね~」



軽薄そうな声が応える。