風の詩ーー君に届け

「あなた、『ローレライ』って呼ばれてるのよ」



「!?……」



詩月の碧い瞳が翳り、詩月がフッと笑った。



「心当たりがあるようね」



「何度聞いても、その名前は胸に突き刺さります」



詩月は吐息のように呟く。



「占い師の言葉なんて信じたくはないけれど、『梅サクラ』……」



マネージャーは、一呼吸おき詩月の碧い瞳を見た。



小さな村で、ガダニーニについて語った占い師。

詩月はその名に胸が一瞬、激しく鳴るのを感じた。



「彼女は、こう告げたの。頼みもしないのに……。

『ガダニーニを奏でるヴァイオリニストの扱いは慎重に』と」



詩月は胸を締め付けられた気がし、拳を押しあてる。



「Nフィルの合わせがあるので」


詩月は占い師の言葉をさらりと流し、すくっと立ち上がる。