風の詩ーー君に届け

「あの……弾いていいんでしょうか?」



詩月は軽く咳払いし、恐る恐る訊ねる。



「えっ」


マネージャーの声は何処から出したのか、わからないくらいに濁った声だった。


「Xceon(エクシオン)の一員でもないのに、一緒に弾いて……さも、メンバーの振りをして。

CMは成り行きで表に出ましたけど……」



マネージャーは大きな声が聞こえるほど、深い溜め息をついて「仕方ないじゃない」ポツリ呟いた。



「上層部が揺れているんですもの。

それに、コンサートは成功させたいのよ」



閉じた瞼が小さく震えている。


何か言うたび、唇を噛みしめる。



「あなた、Nフィルとの契約が満了した後、どうするの?

様々、offerは来てるんでしょう?

留学や引き抜きも含めて」