風の詩ーー君に届け

「悪いけど、そういう評価はさ。なるだけ気にしないことにしてるんだ。

良くも悪くも、父や母と比較したような評価や、媚びた評価がほとんどで信用できない」



郁子の隣で、安坂が郁子を宥めるが、郁子は抑える気配はない。



「大学や音楽会社、それにフィル、色んな所からオファーや引き抜きが来ているって聞いてるわ。

あの週刊誌の記事だって、明らかに狙って書かれたものなのに……。

あんな目立つ場所で、あんな派手な行動をしたらとか考えなかったの?」



「『Let it go』だ。

ありのままでいいだろう!?

別にやましいことをしてるわけではないし、人から何を言われても、どう見られてもさ。

本当のことは自分自身が1番わかっているんだから」



詩月は暢気そうに言う。