風の詩ーー君に届け

急いで電話をとると、「観た? 削除依頼した方が」



「いや、別にいい」



詩月は言いかけたリーダー昴の言葉を遮り、醒めた様子で応える。




「いいんだ……隠す必要はないから」



「詩月さん、我慢しなくていいんだよ。

体は大丈夫!? 無理しちゃダメだよ」



「ありがとう」



電話を切りスマホをOFFにし、講義室へ急ぐ。



――あんな場面を録られているとは思いもしなかった


画像越しに観た、貧相な体が詩月の目に焼き付いている。



だが、胸をはだけて晒け出したことを後悔などしない。



記事に尾ひれが付き、有らぬ噂が立つよりは、全てを晒した方がいいとさえ思う。


「あのままでいい」



詩月は焼き付いた画像を打ち消すように、自分に言い聞かせる。