風の詩ーー君に届け

「この辺り?」


「もう少し右」


「こう?」


「うん」

女神像の前。

数名の女子学生が声を掛け合っている。


「せーの!」



後ろ向きになり勢いよく、手を振りかぶった女子学生の手から、何かが宙に舞った。


甲高い金属音が弾けるように鳴り、煉瓦敷きの地面にポトリと何かが転がる。



「残念」



言いながら女子学生が、腰を屈めて拾い上げたのは銀貨1枚。



詩月はその様子を見届け、彼女達の横を通りながら、ふと訊ねる。



「何かのおまじない?」



女子学生達は驚いたように、ポカンと口を開け、訊ねた詩月を見上げる。



「……えっと、……その……」



口ごもる学生の横で、制服姿の女子学生がポツリ言う。