風の詩ーー君に届け

「誰も、そんなこと1度も言わなかったわ」



「わからなくはないな。

妹尾さんって、いつも眉間に皺寄せて睨んでるもん。

目を合わせたら石にされちゃいそうな、コワーイ顔して」



「石にされそう!?」



「メデューサって知らない?」



「失礼ね。

あなたって、そんなキャラ?

話すとイメージが」



妹尾が嫌味たっぷりに言う。



「どんなイメージだよ」



詩月は小さく舌打ちをする。



妹尾と詩月の会話にクスクスと、笑い声が聞こえる。



「あんなイメージ」



妹尾はスクリーンに映し出された、CMを指差す。



「知らないの? 『ヴァイオリン王子』って呼ばれてるのよ、あなた」



「へぇ~……ところで妹尾さん、何時?」




「え!?……」



妹尾は詩月に言われ、手首に着けた時計を見る。