風の詩ーー君に届け

ピタリ、鳩尾あたりで詩月は手を止め、一気に胸元をはだける。



妹尾がひきつったような短い悲鳴を上げる。



肩甲骨下のまだガーゼを当てた手術跡。

皮膚がまだ薄く赤く変色したままの生々しい、左胸に一筋引かれた傷痕。


胸の中央を割って長く鳩尾にまで達した、薄い1本線の大きな傷痕。



腕に幾つも鬱血した赤紫色の点滴針の痕。



薄い胸板、浮き出た肋骨、病的なまでに青白い肌。




妹尾も周囲も顔を一瞬、背け再び凝視する。




詩月はサッと、はだけたシャツを戻し、フッと笑った。



「あの記事は、8割がたホント。

僕は生まれつき心臓が弱くて、入退院を繰り返し幾度か手術もしてる。


入院するたび、不安になる……もう弾けなくなるんじゃないかって」



場が静まりかえる。