風の詩ーー君に届け

どれ程の痛みに耐えかねて痛み止めの薬を飲み続けたのか?


それほどまでして、目指したヴァイオリニストへの夢を諦めねばならなかった無念――。


それは母にしかわからない。

が詩月は、もし目の前にソリストとしての確たる成功があるなら、無理をしてでも、母親と同じ選択を自分もしたかもしれないと思った。


例え、その夢がひとときの束の間だったとしても……。


詩月は母親の弾くヴァイオリンを聴いて、ヴァイオリンを弾き始めた。


母親の奏でる音を聴かなければ、今の自分はいない。


詩月はスクリーンを見上げながら母の言葉を思い出した。



「晴れた日もあれば曇りの日も雨の日もある。

優しい雨も降るし激しい雨も降る、その繰り返し。


ねぇ詩月、人生は『雨に似ている』の。