風の詩ーー君に届け

ゴシップやスキャンダルしか書かない三流誌だ。

気にする必要なんてない。


そう思いながらも、週刊誌を広げて見せた郁子の心配顔と、母親の辛そうな後ろ姿が詩月の頭から離れなかった。



電車を降り改札を抜け、通りに出る。



ビル街に設置された巨大スクリーンに、化粧品会社のCMが流れている。



夏バージョンのCM。

詩月がヴァイオリンを弾く横で、Xceon(エクシオン)が吹奏楽器(金管楽器)を演奏している。


いかにも演奏している風の自信満々顔で映る、アイドル達の明るさが眩しい。




健康的な彼らの輝きを詩月は羨ましいと感じた。




普段はスクリーンに映し出されたCMなど、真剣に見たことはない。



ポスターが貼る側から剥がされてしまうようなCM、見つからないように画像の前を通り過ぎる。