風の詩ーー君に届け

「けっこう、重いものを背負ってるのね。ヴァイオリン王子は」



「そうね。まあ、あの儚い感じは何か背負っていても不思議ではないわよね」




「原因が親にっての、きけるよな」



「それこそ、何で健康に生んでくれなかったんだって思うだろうに」




聞こえてくる会話が、容赦なく詩月に、週刊誌の記事を思い出させる。


詩月は母親を恨んだことがないわけではない。

小中学校は入退院の繰り返しで院内学級が長く、殆ど登校していない。



何故、学校に行けないのか?


何故、走ってはいけないのか?


何故、繰り返し入院しなければならないのか?




幼いながらに思っていたが、主治医や看護師、理久には話せても母親には言えなかった。