風の詩ーー君に届け

「わたし……高2の秋、彼が留学を断ったって聞いた時……彼に訊ねたの。

どうしてって……どこか悪いの?って。

彼ね……答えなかった。

『何故、君に話さなきゃならないんだ!?』って……すごく冷たい口調だった」



郁子は嗚咽しながら、淡々と話す。



「だから、……去年。

理久から彼が夏休みの間中、入院して手術したって聞いた時、驚いたしショックだった……

わたし……彼のお母さんから、あんな風に聞きたくなかった……。


彼はNフィルでも凄く素敵に輝いていて……。

オケで上手くいっていなくても前向きに……凄く頑張っていて……」



「郁子、彼が気丈に頑張っているのはNフィルの奴らも認めてる。

理解者もいるし、見守っている奴も多い」



「……こんな記事が出て、何も知らないまま……誰かに何か言われたり、聞かれたりしたら……。

お母さんのこととか、辛いだろうなって……」