雪ノ空【完】



「……たまたま街で二人見つけて。それで…ちょっとみてたら…あの…」

そういって口ごもる恋夜。

「無理にいわなくていいよ。あ、そういえば伊野さんとうまくいってる?」

「は?どういうことだ?」

「いや、よく一緒にいたでしょ?キスもしてたし、それ以上も。もう恋夜を縛り付ける鎖はないんだし」

「縛り付ける?」

「それに、伊野さんも恋夜のこと好きみたいだし。もう付き合ってるよね?」

「付き合ってねぇけど?」

「え?……なんで…?」

「いや、月架とは付き合う気になれねぇ」

「なん…で…?それじゃあ…別れた意味が…」

そう恋夜に聞こえない声で呟いた。

「俺は雪が……」

「あっ!恋夜ーっ!!」

そういって近づいてくるのは…伊野さん。