そういって携帯を取り出した。 「………よし、送信。これ送ったから」 「え……これ……」 そこに書いた内容はこう。 『恋夜へ 別れよう。さよなら。』 「ちょうど別れようと思ってたし」 うそ。 「もう潮時だし」 うそ。 「伊野さんの方が恋夜を幸せにしてやれる。だから、恋夜をよろしく」 そういってカフェを出た。 「ちょ、ちょっと雪くん!!」 その声も聞こえないほど 閉ざされた空間にいるような感覚になった。