先生、甘い診察してください



日々は流れ、テスト前日。


テスト勉強もついに大詰め。



今回は、わりと良い点数が取れそうな予感。



「ご褒美、何がいいか決めた?」

「いえ、まだ」

「早く決めなきゃ~。僕が勝手に決めちゃうよ?」


あ、それはそれで、いいかも。



英語は自信ないけど、先生が教えてくれたんだもん。


少しは良い点数が取れるかもな。



「あ、そうそう。いい物があったんだ」

「いい物?」


ワクワクドキドキして待ってると、先生が持ってきたのは、



「マカロンだ!」

「あやちゃんが好きそうだから、買っちゃった」


マカロンの詰め合わせ。




「私、マカロン…大好きです」


最近は、歯に気を使って食べてないけど。


パクっと一口食べてみると、口の中いっぱいに甘い味が広がった。




「本当は甘い物は控えてほしいけど…たまにはね」

「でも、治療の後には必ず甘い物くれますよね?」


やる事が思いっきり矛盾してるけど、そこがまた面白くて好き。




「先生、治療が終わったら、甘い物は解禁ですか?」

「どうかな~。できれば控えてほしいかな。あと、治療が終わるのは、もうちょい先だから」


じゃあ、まだあそこに通っていいって事か。



「治療が終わったら、ご褒美に甘い物食べに行こうか」

「はいっ!」


なんか、デートの約束みたい。