それからも、毎日先生の家にお邪魔して勉強を教えてもらった。
大橋先生のおかげで、テスト勉強はかなり順調。
お兄ちゃんには「襲われたりしなかった?」って本気で心配されたけど。
無論、大橋先生は草食系だから襲われる心配は絶対ない。
「英語、このままじゃ壊滅的かもね」
「が、がんばります」
ただ、苦手な英語はどうも躓いてる。
60点以上取れる自信は日々失われていく。
「60点以上取ってくれなきゃ、ご褒美あげられないじゃん。ご褒美、欲しいでしょ?」
「はい」
苦戦しつつあるけど、ご褒美のためにがんばってます!
肝心のご褒美は何にするか、ぜーんぜん決めてないけど。
「おっ、あやちゃん正解。結構飲み込み早いね」
「結構って、一言余計ですね」
「んふふ。偉い偉い」
ポンポンと頭を撫でられた。
このスキンシップは、癖なのかな?
毎日、家にお邪魔してるけど、私と大橋先生との間に特に進展はない。
「えっと~、次はこの問題解いてみようかぁ」
先生は相変わらず、緩い。フワフワして、ふにゃふにゃしてる。
「あやちゃんって教え甲斐があるね。一緒にいて癒されるし」
癒されてるのは、私の方ですよ。

