先生、甘い診察してください



きっと大橋先生の事だから、のんびり緩い教え方なんだろうな~って思ってたけど。



「そこ、違うよ?」

「え、嘘」

「あー、ここも違う。この問題、仮にも基礎なのに~」


意外とテキパキしてた。容赦ないっていうか、ズバズバくるっていうか……。




でも、教え方はお兄ちゃんより断然上手い。授業よりずっとわかりやすい。



「先生、この英単語って何て読むんですか?」

「あ、これはね」



大橋先生のおかげで苦手な英語も結構頭に入ってくる。


今回のテストは、いつもより良い点数取れそうな予感!



「先生って、意外と頭良いんですね」

「そりゃあ歯医者さんだもん。ある程度はできるよ~。でも意外とって何気に失礼だね」

「あ、すみません」

「ほら、勉強するよ。良い点数、取りたいんでしょ?」

「はい」


私のすぐ隣には、先生の綺麗な顔がすぐそこに。



先生は、何故か私の向かい側じゃなくて、隣に座ってる。だから教えてもらう時の距離が、近い。



「あやちゃん、この問題解いてみて」

「はい……!」


あくまで勉強中。呑気にドキドキしてる場合じゃない。