先生、甘い診察してください


「テスト、嫌だぁ~」

「うん、嫌だよね」


お昼休み、お弁当を食べながら琉璃ちゃんとテストの愚痴を言い合った。



「あ、ねぇ、一緒にテスト勉強しない?」


友達となら、勉強もそれなりにはかどるかも。



「あ、ごめん。実は、光平とやろうかなって」


そうか……。琉璃ちゃんは彼氏とするのか……。



「テスト勉強会とか、些細なキッカケで……距離が縮まったらなって」

「距離、あるの?」


寂しそうな表情の琉璃ちゃんに、つい聞き返してた。



「微妙な距離を感じてて…もっと、距離を縮めて近づきたいなって」


なーんか、可愛い。恋する乙女だなぁ。



「って…私、こんな事言って…キモイかな?」

「そんな事ないよ。好きな人に近づきたいって思うのは、自然な事だよ」



私だって、もっともっと近づきたいもん……。



でも、琉璃ちゃんは彼氏とするのか~。


お兄ちゃんに教えてもらうのもなぁ。お兄ちゃんの教え方、よくわからないし。




あっ、そうだ!


大橋先生に教えてもらえばいいじゃん。



(今度行ったら、聞いてみよう)



断られたら、ショックかも。なんかドキドキして緊張してきた。




「あ、そうだ」


突然琉璃ちゃんが思い出したように口を開いた。



「村上くんと勉強したら?」

「ブッ!!」


予想外発言に、お茶を噴出した。


「村上くんって、頭良いじゃん」


確かに日向くんは頭良い。いっつも何気にベスト3には入ってる。



もし大橋先生に断られたら、日向くんに頼もうかな……?