「だいたい矛盾してますよ。今日……なんでOKしたんですか?」
「だから、それは」
私がお兄ちゃんの妹だから?
「お兄ちゃんの妹だから、いっぱい優しくしたり、治療の後に雑談して、休みの日にお茶に行ったりするんですか?」
「……あやちゃん」
「大事な親友の妹だからって理由で、特別扱い染みた事……するんですか?」
気がついたら、また感情的になってた。
「……あやちゃん、ストップ」
私の言葉をやんわり静止するかのように、先生の人差し指が唇に触れた。
「質問、ぶつけ過ぎ」
「……ごめんなさい」
「いや、謝る事はないけど……僕にも、質問させて?」
黙ったまま、コクッと頷いた。
「あやちゃんは、何で今日、僕を誘ったの?」
「……え?」
「だって、一緒に行く相手なんて他にいくらでもいるよね?」
返答の困る質問に、押し黙るしかなかった。
「どうして、僕だったのかな?」
……そんなの、答えられない。
先生の事が好きだからです。……なんて言えない。
「っ……」
質問に答えられず、困ってる私を見て、先生はまるで悪戯っ子のように楽しんでるみたいだった。
咄嗟に先生のTシャツの裾を掴だ。
「私は…先生が、いいんです……」
「……あやちゃん」

