先生、甘い診察してください


「幼馴染の…村上日向くんです!」


幼馴染って言葉を強調した。



「そっかー。幼馴染かぁ。結構カッコイイねぇ。いいね、若いって」


言ってる事がおじさんみたい……。



日向くんは、少し眉を潜めながら鋭い目つきで先生の方を見てた。




「あやちゃん。よかったら医院まで一緒に行く?」

「は、はい!ぜ、是非…!」



偶然とはいえ、バッタリ会えるなんて嬉しい。





「日向くん…、またね」



日向くんは、不機嫌そうに「あぁ」としか言ってくれなかった。






「嫌じゃない?」

「えっ??」


2人並んで歩いてると、急に話を振られた。



「3日おきに通うの、ハードじゃない?放課後は友達と遊びたいだろうし…」

「い、いえ!そんな事ないですよっ!全然っ…」


そこまで配慮してくれてるんだ。


それにしても、こうして並んで歩いてみると意外と……。




「先生ってちょっと身長、小柄ですね…」


お兄ちゃんや櫻田先生はわりと背が高め。でも大橋先生はわりと小柄。



「実は身長…、162センチしかなくて…」


身長の事、気にしてたのかな?


「大丈夫ですよ!私なんて身長、152しかないんですから!私より10センチも高い!」

「10センチ高い…。なんか元気出た。ありがと~」


35歳のわりには、結構…単純?