「でも、やっぱ智也からじゃなくて、あやの口から直接聞きたかった」 怒ってるのとは、少し違う気がした。 お兄ちゃんの表情は、さっきからずっと悲しそうで。 とても寂しそうな顔をしてる。 「ようするに翔太は、あやちゃんが直接言ってくれなくて、寂しかったんでしょ?」 サラリと、櫻田先生が見透かしたように言った。 小さい声でお兄ちゃんは「うん」と言った。 「家族だもん……。そういう事は、ちゃんと…言ってほしい……」 怒られなかったけど。 何か…怒られた方が、まだよかったかも。