「じゃあさ……少し、我儘言っていい?」 破られた沈黙。 我儘って何だろうと疑問に思いながらも、「どうぞ」と言った。 「僕ね、あやちゃんが……欲しいの」 まだまだ子供の私にも、その言葉の意味は理解できた。 欲しい? 私が? 「ずっと理性、抑えてるけど…あやちゃんってば、いつも誘惑するから」 誘惑なんて、してないけど。 無意識のうちに、智也さんの理性を揺らすような事をしてたのかな? プチパニックになり、頭の中がグルグル回る。