そして次の日。 夜はあんまり眠れなくて、早く目が冷めた。 「智也さん……いつ頃、お迎えに来てくれるんだろ……」 独り言を呟きながら、時計をチラチラ見た。 お兄ちゃんはもうお仕事に出勤。 ……あれ? 今気づいたけど、今日は智也さんもお仕事なんじゃ……。 ―ピンポーン ごく当たり前な事に気づいた時、チャイムが。 「はい……!」 玄関のドアを開けた途端、 「んんっ!!」 強い力で抱きしめられ、私の顔は思い切り胸板に当たった。 「おはよう、あやちゃん。朝から顔が見れて嬉しい」 ……私もです。