先生、甘い診察してください





え?え??


何で…拗ねてるの……?






「ないと思う、じゃなくて、ないの!!あやちゃんと別れるなんて、考えられないもん…」

「智也さん……」



ジーン、と胸が温かくなった。






「……私の前でイチャイチャしないで。もう通院はサボらないから…。じゃあね、智也先生」



呆れた視線を送りながらも、手をヒラヒラ振って陽菜ちゃんは帰って行った。





陽菜ちゃん……ごめんね…?


私のせいで…傷つく事になっちゃって……。





「あやちゃん……」



私が何を考えてるか、智也さんにはお見通しなようで……、





「どのみち僕は陽菜ちゃんの事は、恋愛対象として見れないから。妹的な存在っていう目線でしか見れないんだよ……」



と、穏やかな口調で呟いた。