私の前まで来て、ようやく陽菜ちゃんは顔を上げた。
「あ……」
目が…赤い…。
陽菜ちゃん……泣いたの……?
「あやちゃん……今まで、邪魔して……ごめんなさい」
「えっ……」
謝罪の言葉を述べた後、深く頭を下げてきた。
何が何やらわからず、アタフタするばかり。
「あのっ…陽菜ちゃん!顔、上げて?頭…下げないでよ…」
何で急に謝罪?
「あやちゃんは、優しい子だね。智也先生が言ってた。自慢の彼女だって」
「え……」
自慢の彼女だなんて……。
「どんなに想ってても、無駄みたいだから……諦めてあげる」
私に背を向けて、投げやりに叫んでた。

