時間はどんどん経過し、気がつけばもう少しで診療時間が終ろうとしていた。
「いくら何でも……長い、ね」
「…はい」
どんな話、してるんだろう?
時間が経過すればする程、不安とモヤモヤが大きくなっていく。
信じるって…決めたのに……。
「櫻田先生…もう、お仕事終わる時間ですから…帰っても、大丈夫ですよ…」
暇だからって、ずーっと私のそばにいるけど……。
さすがにずっと付き合わせるわけには……。
「何言ってんの!帰れるわけないじゃん!!あやちゃんを1人残して帰るとか嫌っ!」
力強く、私の両手が握られた。
「俺はあやちゃんにとことん付き合う。いざとなったら…俺の胸、貸してあげるよ」
チャラチャラしてるけど、やっぱこの人は……。
「ありがとうございます……」
温かくて、優しい人だ。

