「ごめん。コレ、お酒だった」
35にもなって、てへっと舌を出す彼はかなりキュートだった。
いやいや、今はそんな事より……。
「お、お酒っ!!何で私にそんなのを…」
「ジュースと間違えちゃった。でもこれ、アルコールたった3%だから」
未成年なのに飲酒しちゃった……。バレたら、お兄ちゃんに怒られる。
「ねぇ、吐き気とかはない?」
「大丈夫です。ただ…熱い……」
お酒飲んだらこんなに熱くなるの?
しかも、段々眠くなってきた……。
「お水持ってくるね」
うぅ…眠い。
お酒には睡眠薬でも入ってるんでしょうか…?
「はい、お水だよ」
「ありがとうございます……」
目の前に差し出されたコップを受け取ったものの、意識が朦朧として、
―バシャ
コップが手から滑り落ちて、水が零れた。

