先生、甘い診察してください




「はぁっ…」



何故か日向くんの口から出たのは重いため息。




「お前の鈍感さには、本当に呆れる」



えぇっ!!また…日向くんに、鈍感って言われた…。


私、そんなに鈍い?




「…言わなきゃ、わからないみたいだな……」



壁についていた彼の両手が、そっと私の顔を包み込んだ。



え、な、何?


混乱する私とは対照的に彼は、ジッと見つめてくる。




日向くんの顔を、こんなに間近で見たのは多分久しぶり。


やっぱ…綺麗な顔してる…。




「ちょっ…ひっ、日向くんっ……!!」



無言のまま、日向くんは徐々に顔を近づけてくる。





彼の顔が、ゆっくりと近づいてくる。



お互いの顔の距離は約…10センチ弱。





日向くんとの距離まで後…5センチ、4センチ、3センチ…。




「っ……」



思わず、ギュッと目を閉じた。