「何でそんな大事な事を俺に黙ってたの!!」
お怒りのお兄ちゃん。
ど、どうしよう……。
アタフタしてると、ふと周囲からこんな声が、
「あの人…あやちゃんの彼氏だって」
「どの人?」
「ほら。あのボケーっとした人だよ」
ボケーっとって……。失礼な!!
「えー、ぶっちゃけ普通じゃん。茶髪の人の方がカッコイイじゃん」
「だよね?ザ・普通の人って感じだよね~」
確かに櫻田先生、カッコイイよ?
でも!!
でもね!!
智也さんだって、カッコイイもん!…いや、可愛いって言葉の方が合うかな。
「あやちゃ~ん、本当にいいの?あのイケメンさんの方じゃなくて」
うぅ…琉璃ちゃんまで…。
誰がなんと言おうと、私は…。
「智也さん」
「ん~?なぁに?」
みんなの見てる前で私は、
「大好きですっ!!」
智也さんに抱きついた。
ザワめく周囲。
構わず私は、ギュッと強い力で抱きついた。
大好きですって体いっぱいでアピールするように。
「…あやちゃん」
智也さんの腕が、私の背中に回された。
周囲からは、女の子達のキャー!!という悲鳴、男の子達のギャー!!という悲鳴が響き渡っていた。

