「あのっ、あやちゃんの彼氏さんですよね?」
勘違いしたまま、琉璃ちゃんは櫻田先生に話しかけた。
「うん、そう!あやちゃんとお付き合いしてる櫻田純です!」
ちょっと!!便乗しないでくださいよっ!!
「違うよ!彼氏は、この人じゃないよ!」
「え……」
誤解されたら困る。
「私の彼氏は……」
テクテクと、智也さんの方に歩み寄り、
「この人だよ」
ギュッと手を握った。
「え……」
フリーズした琉璃ちゃん。そして……、
「普通。うん…正直、普通だ……」
普通と言われてしまった。
ショボン、と肩を落としてると。
「あやっ!!一体どういう事なの!!智也と付き合ってるってマジなの!!」
ひっ!!
ヤ、ヤバイ!!
お兄ちゃんには付き合ってる事まだ言ってないんだった~!
私ってば、何て失態を!!

