先生、甘い診察してください




「あやちゃん…、心配で来ちゃった」


私は動揺してるのに、先生は普通に話しかけてきた。



「大丈夫なの?ずっと来てないから本当に心配で……」


ねぇ、どうして?




「あ、学校は制服でわかったんだ」



どうして先生は、そんなに普通なの?



私はどんな顔して会えばいいかわからないのに、今、パニック状態なのに。




私の告白を結局、何とも思わなかったって事?


あっさり忘れられるような事だったの?




「……」


私は俯いて、日向くんの制服の裾を握った。


日向くんも何かを感じ取ったのか、




「待ち伏せなんて、止めてもらえます?すっごい迷惑なんで」


刺々しい言葉を投げ付けた。




「日向くん…、早く、行こう…?」



早くこの場を離れたかった。





「あやちゃんっ……!」

「付いて来ないでください。あや、早く行くよ」



日向くんは私の手を引いて、スタスタと歩き出した。




私は後ろも振り向かず、俯いたまま歩いてその場を離れた。