先生、甘い診察してください





あれから早数日。



学校の帰り、一応医院の前までは行くものの、決心がつかなくて、どうしても中に入れない。


結局治さないまま日々が過ぎてる。



学校では文化祭の話し合いが始まって、みんなルンルン。


でも私の心は下がったまま。




「あや~、そろそろ治したら……?」

「……嫌」


お兄ちゃんは、無理強いしてまで歯医者さんに連れて行こうとはしなかった。



私が病院に行くように、やんわり説得してる。




「智也がさ、すっごい心配してて……。これ、渡してって頼まれたんだけど」

「…これって」


差し出されたのは薬。



「痛み止めだって」


歯が痛み出したって、櫻田先生に聞いたのかな?




「それなら市販のより効くと思うから。だいぶ楽にはなるよ」

「うん……」



この痛みは、いつになったら癒えるのかな?