「…何で」

考えても仕方ない。

ゆっくり立ち上がって、いつもの場所に荷物を置く。

ソファーに座って、内海くんから貰った袋を開けて、中に入っていた香水を取り出した。

「…これ」

内海くんが付けている、ブルガリのレディースの香水。

「内海くんと同じブルガリだ」

明日からつけようと…そんな事を思いながら、春物のジャケットを脱いだ。