「雅人遅い!」
そういって先輩が歩いてくる
…という幻想が見える
「おい!彼女って立花神那だったのかよ」
どうやら幻想じゃないみたい
「あんな有名人と付き合えるなんてお前すごいな!」
パッチリした大きな目にふっくらした唇
腰あたりまでまっすぐのびる漆黒の艶やかな髪
可愛い顔に似合わない強気な性格
いわゆるギャップってヤツ
あたりまえのように、彼女はモテる
「邪魔者は退散しますか」
「あっ、ちょ、桂太っ!」
いってしまった…
「あ、あの、待っててくれたんですか?
」
「まぁ、カレカノらしいことしてみようかと思って。あ、迷惑だった?」
「いえ全然!すごく嬉しいです!」
「じゃあこれからもここで待ち合わせしない?」
え、でもいつも友達と一緒に……
「あ、美波は大丈夫だから。さっき『毎日一緒に帰ろうって誘え』ってメールきたから誘ってんの」
「じゃあよろしくお願いします」