それが分かっているのに、それでも俺が2人きりになりたかった…なんて自分勝手な感情だ。

あの時、ジェットコースターの誘惑に負けて乗りに行ったのは自分なのに……

そう思うと、キリがない。


感情をコントロールするのが難しいという事が、よく分かる。

特に好きな人の事になると、尚更。


「裕貴、それ以上考えても答えなんて出るはずないぞ。」

「わ、分かってる!」

「先輩に気持ち、伝えろよ」


俺だって、今すぐにでも伝えたい。

だけど、怜先輩は俺の事を1人の男だと見てくれていない。

ただの、後輩だと。


それが嫌でも分かるから、気持ちを伝える事なんてできなくて……

毎日毎日怜先輩の教室に行くしか出来ないんだ。

俺という存在を、忘れないでもらう為に……


「お前、そんなに自信ない奴だった?」

「怜先輩限定で…」


自分なんかに自信なんて、ない。

周りの人が俺の事を、どう思ってるかなんて関係ないんだ。


怜先輩が俺の事を、どう思ってるのか、それだけを知りたい。