子犬系男子の溺愛っぷり。

椅子に座った彼方君は、それから何を話す訳でもなく、ただ、ジっと椅子に座っていた。

その隣に間隔を空けて、あたしも静かに腰を掛けた。


「……」

「……」


無言のまま、20分。

ただ、静かに待つだけのあたし達。

さすがにこの空気は耐えられない…っ


何か話さないと…

そう思っていても、話題がない。

ど、どうしよう……


「…フっ。」


隣から聞こえた笑い声。

視線を向けると、小さく笑っていた。


「ここだけ静かすぎますね」

「確かに」


遊園地は人が多いはずなのに、ここだけは凄く静かで周りの声なんて全く聞こえない。

それが少しだけおかしくなって、2人で顔を合わせて小さく笑った。