子犬系男子の溺愛っぷり。

周りにはそんなに人がいなかったから良かったんだけど、いたら一気に視線が集まるところだった。


振り向き様に、


「…黒瀬怜。 2―B」

と小さい声で言った。


はっきり聞こえたのか分からなかったけど、それだけ言うとあたしはまた背を向けて、そのまま教室に帰ったの。


後ろで、男の子がずっと見つめていた事なんて知るはずもなく。









―――…
――――…


それが、夏目君との出会い。

今思い出すと懐かしいな…と思う反面、おかしな出会いだった。

自販機に行くのに、高校生にもなって、お金だけ手に握りしめて買いに来るなんて…

子供だなって思いつつも、じんわりと心に溶けてくるような何かがあった。


あの時は、声が少しだけ高かったのに今は完璧に声変わりも終わって、低めの声になっている。