「俺が怜先輩の事をどれだけ想ってるのか、しーっかりと教えてあげますよ?」

「…遠慮しとく!」

「まだお昼は残ってるんですから、予鈴鳴るまでは抱きしめさせてください」

「………うん」


裕貴君には甘いあたし。

遠慮しとく!なんて言っておきながら本当は抱きしめられたいと思ってるとか矛盾しすぎ。


子犬系男子かと思えば時折見せる狼になったり、狼かと思えば可愛い子犬系男子になったり。

いつも裕貴君に振り回されっ放しのあたし。


これからもずっと裕貴君に振り回されるんだろうなぁ…。

それも、何だかんだ言っても嬉しかったりして。


恋をしてなかったらこんな気持ちなんて知らなかった。

それを教えてくれた裕貴君。


きっと、あたしにとって最初で最後の男の子になると思う。

…だって、大好きだし。


「…怜先輩、愛してる」


何度目か分からない口づけを交わした。

それは、魔法のようなキスでしたーー…



* 終わり *