子犬系男子の溺愛っぷり。

袖を引っ張って食い入るように説得をしてくる詩織は、相当遊園地に行きたがっている。

うーん……、どうしよう。

みんな意見がバラバラ過ぎて困る。

詩織と夏目君は、行きたいオーラを出しているし。


でも、彼方君はずーっと無口のままで、一言も喋ろうとしないし。


「――行かな…

「行けばいいと思いますよ」


返事をしようとした時、あたしの言葉に被せてきたのは彼方君。

まるで棒読みみたいに。


「裕貴、行きたがってるみたいですし」


敬語が喋りにくいのか慣れないのか、ぶっきらぼうに聞こえる声。

自分の意思をそっちのけで、夏目君の気持ちを優先してくれてるの?

だけど、変に気を使わせるのも……


いい気はしないというか…、先輩として、どうなんだろうって。

ここは、やっぱりあたし達が断ればいいだけの事なんじゃないかな。


それか、遊園地に行きたがってる詩織と夏目君が行けばいいとか……?