「俺、幸せすぎてやばいな〜」

「…いいんじゃない?」


幸せって言ってもらえるとあたしだって幸せって感じるよ。

付き合っててつまらないって思われるよりいいしね。


初めは子犬系男子って興味なくて、ただの後輩ってだけだったのにね。

恋って凄いなぁって改めて思うよ。


「怜先輩、好きっ」

「え、ちょ…!」


グイっと腕を引っ張られて気付けば裕貴君の腕の中にいて。

周りからは黄色い歓声が鳴り止まない。


いくら動いても抜け出せそうになくて裕貴君が満足するまであたしはこのままらしい。


『ヒューヒュー』

『黒瀬さん、いいな〜!』


などなどからかいの声や羨ましがられてる声など聞こえてくる。

いや、さすがにこの状況は……っ


恥ずかしいんですけど…!

抱きしめられてて周りの状況は見えないけど、きっとこの場にいる全員があたし達を見ているはず。


「あの、裕貴君…」

「何ですか?」

「離してよ」

「ん〜、もう少しだけ」


ほら、離してくれない。

人前でこんな事をするのは嫌なのに裕貴君は当たり前みたいで。


羞恥心ってものがないのか!