子犬系男子の溺愛っぷり。

買いたくても買えない状況。

周りに友達も見当たらず、お金を貸してもらう事も出来ず立ち尽くしていた。

そんな男の子に見かねたあたしは、

「これ、どうぞ」

と言ってお金を目の前に差し出した。


振り向いた男の子は、後ろ姿じゃ想像も出来ないくらい可愛らしい顔をしていて。

ちょっと驚いた。


「え、…でも」

「いいから」


その時の声は、少しだけまだ高くて声変わり途中だと気づいた。

それが可愛らしく感じて、気づいた時には自分から掌にお金を置いていた。

男の子はお金をジーっと見つめたまま、ほんの少し固まって。


いきなり顔を向けられたかと思えば、全開の笑顔付きでお礼を言ってきた。


「ありがとうございます!」

ってね。


自販機で飲み物を買い終わったあたしは、教室に戻ろうと背を向けた時、


「名前とクラス、教えてください!」

って大きな声で叫ばれた。