う、嬉しいな…。

いつもあたしを呼ぶ時は"先輩"って付けてたのに、怜ってだけで呼ばれるのは本当に初めてで。


ドキっとした…。

名前を呼ばれるだけでこんなにドキドキしちゃうなんて。


「そろそろいいかなって思って」

「…う、ん」

「怜って呼ばれるの照れる?」

「…照れる。」


うん。だって本当だもん。

かなり照れるし…。


呼び方に慣れないなぁ。

付き合ってからずっと"怜先輩"って呼ばれてたもん。


「怜、好きだよ」

「…あたしも。好き」

「ずっと俺の傍にいてね?」

「…当たり前」


裕貴君が嫌だって言っても離れてあげないからね。


裕貴君がいなきゃダメにさせたのは裕貴君なんだから責任取ってよね。

別れるなんて嫌だからね。


これだけ懐かせたんだから最後までしっかり面倒見てよ?


「…あたしを1人にしないでね」

「するわけないじゃん。だってもう俺のものなんだから」


ギュっと抱きしめられると裕貴君の匂いがいっぱいする。

やっぱり、ここ好き。


あたしもソっと背中に腕を回して抱きしめ返す。