子犬系男子の溺愛っぷり。

「怜先輩、空いてるとこないですよ?」

「あー…そうなんだけど…友達に悪いかなって思って」


チラッと顔を見ると、笑う事もせず、ただ無表情で座っているから何を考えてるのか分からなくて…

それとも、あたし達がここに来たから気分でも害しちゃったのかなって。


「……俺なら、大丈夫なんで。」


低くて、静かな声。

周りがうるさいはずなのに、はっきりと聞こえた。


「お友達もこう言ってるみたいだし、ここで食べようよ。ね?」

「…うん」


不思議な空気が、あたし達4人を包み込んでいく。

周りはうるさいはずなのに、ここだけ静かに感じて、少しだけ気まずかったりする。


そう感じてしまうのは、あたしだけ?

詩織なんて、いつの間にかチキン南蛮に手を付けてるし…。

夏目君は、いつもみたいにニコニコしてるし、隣にいる友達は静かだし。


「そう言えば、君は何て名前?」

「…彼方悠(かなた はるか)です」