子犬系男子の溺愛っぷり。

朔真さんに挨拶をしてから裕貴君と一緒にここを出た。

最後に見た朔真さんの笑顔はとびっきりの笑顔で、一瞬ドキっとしてしまった。


…やっぱ、かっこいいよ。

ここのお店が人気な理由分かる。


かっこいい朔真さんが働いていておまけに優しくて紳士で、そんな人が美味しいケーキ作ってたら人気にもなる。


外から店内の様子を見ながら朔真さんには聞こえないけど、"ありがとうございました"と呟いた。


裕貴君が横から顔を覗かせて『寒いから帰りましょう?』と可愛らしく言ってきたから、それに頷いて歩いた。


ヒュ〜っと前から冷たい風がきた。


「……寒っ。」


あまりの寒さに身体が凍える。

肩に力が入ってしまう。


「はい。」


その声と一緒に差し出された手。

もちろんそれは裕貴君の手で。


「怜先輩寒いでしょ?だから、はい。」

「…」


手を握るか迷って数十秒。

寒さに負けて繋いでしまった。


「………寒いからだからね。」


本当に寒いから。

別に手を繋ぎたいとかじゃない。

本当に寒かっただけ…。


裕貴君の手はあたしとは反対に凄く温かくて、外は寒いはずなのに繋がれている手だけは熱かった。


……カイロみたいにポカポカする。

冬は手放せなくなりそう。


「怜先輩いつもこのくらい暗い時に帰ってたの?」

「…まぁ、」