子犬系男子の溺愛っぷり。

………何で。

何で裕貴君にはバレちゃうの?


涙だってちゃんと拭いたし、いつも通りにしたのに……。

何でもお見通しなのかな…。


「泣いたの?」

「…」

「否定しないって事は肯定してるって受け止めますけど」


泣いたって言いたくない。

認めたくない。

……でも泣いたのは事実だし。


否定なんかもっと出来ない。


「何で泣いたんですか?」


裕貴君は既に泣いた事を前提で話を続けているみたい。

…そんなにバレやすい?


自分では隠してるつもりなのに。


「怜先輩、」


目元を親指で優しく撫でられてくすぐったい…。

そんな顔されると答えちゃうよ。


「…バイト、終わりなんだって…みんなに会えなくなるんだって思ったら悲しくて。…でも、いつでも遊びにおいでって言ってくれて…。」


話をしている間も裕貴君の親指はあたしの目元を優しく何度も何度も撫でていて……。

嬉しいけど、恥ずかしくて…


顔が熱い…っ


「さっきの人、優しいですね」

「うん。…すっごく優しかった」


だからこそ会えなくなるのが寂しく感じるんだ。

毎日会えるわけじゃないから…。


「……寂しい?」

「ん。寂しい…」